皮膚のできもの

ほくろ


ほくろのない方はいらっしゃらないと思いますが、できている場所や大きさによっては気になってしまうものです。
また引っかかって痛みが出てしまう、ひげを剃るときに傷つけてしまうなど、日常生活に支障を来す場合もあります。
さらにはほくろのがんの可能性を心配なさる方もいらっしゃいます。
そのような場合には手術で切除するかレーザーを使って除去することも可能です。
できている部分やサイズによってどちらが適切かが決まってきます。
手術やレーザー治療の詳細につきましてはこのページの最後をご覧ください。

脂漏性角化症


皮膚の加齢に伴ってできてくる黒や褐色のいぼ状の発疹です。お年寄りの顔にある黒みがかったイボといえばわかりやすいかもしれません。出てくる年齢は個人差がありますが、早い方ですと20歳代から出てきます。はじめは小さいのですが、徐々に大きくなってきます。首によくある茶色っぽい小さいイボもこの一種です。液体窒素という極めて低温の液体を使って凍らせてしまう凍結療法が比較的簡便で、健康保険も使えます。
2週間以内にはかさぶたになって剥げ落ちます。


この治療の欠点としては、取れた後にむらのある色素沈着をきたす場合があることや、小さいものには施術しにくい点があります。一方仕上がりのきれいさにこだわる場合はレーザー治療が向いています。局所麻酔後にレーザーを使って薄く削り取っていくように治療します。ばんそうこうが1週間から10日程度必要です。健康保険は使えませんので、費用については診察時に医師にご相談ください。

粉瘤(アテローマ)


粉瘤とは主に毛穴の出口付近がふさがれてしまい、内部にアカのようなものをため込んだ袋ができてしますオデキです。
皮膚の中にころころとしたしこりをふれ、表面に小さな黒い点を持つこともあります。
この黒い点が詰まってしまった毛穴に当たり、押すと臭いにおいを持つ内容物が出てくることもあります。
特に悪性のオデキではありませんが、放置すると徐々に大きくなり、細菌が出口から入り込むとひどく化膿しますので、そのようになる前に摘出してしまったほうが望ましいものです。手術の詳細につきましてはこのページの最後をご覧ください。

尋常性疣贅(いぼ)


尋常性疣贅(いぼ)尋常性疣贅は一般的にいぼと呼ばれているものです。ヒト乳頭腫ウイルスというウイルスが原因で起きる伝染性の病気です。
皮膚が盛り上がり、表面はざらざらしています。はじめは一個だけですが次第に数が増え、一個一個も大きくなります。
液体窒素というマイナス190度以下の液体をイボにあて凍らせてしまう冷凍凝固療法が一般的です。

イボの細胞を冷凍によって破壊する治療法です。次第にイボはかさぶた状に固くなって2週間程度で剥がれ落ちてきます。通常数回の治療が必要です。
この方法は有効性が高いのですが、欠点として処置する際の痛みがありますので、当院では痛みの少ないトリクロロ酢酸という薬品を外用することもあります。またイボが多発している場合はヨクイニンというハトムギ由来の漢方薬を飲んでいただく場合もあります。

ほくろや皮膚の腫瘍などの除去


当院ではほくろや粉瘤といった皮膚の腫瘍の手術を積極的に行っています。
ほくろは整容的な悩みの原因となっていることが多く、傷をなるべく小さく、目立たなくなるよう配慮しつつ処置を行っています。

ほくろの治療法

ほくろの治療は主に炭酸ガスレーザーによる治療と手術療法による治療の2つがあります。
炭酸ガスレーザーが優れており、大きなもの、顔以外のもの、深いものなどは手術療法の方が優れていると考えています。レーザーの場合、自費診療となり、5000円(税別)からですが、大きさ、膨らみ方などによって価格は異なります。診察時に医師にお尋ねください。


手術療法の場合は、傷が最小限になるように、真皮縫合はもちろんのこと、巾着縫合、局所皮弁法などの高度な縫合の仕方を選択する場合が多くあります。
術後の仕上がりなどに関しては実際の写真などお示ししますので、診察時に医師にお尋ねください。
手術の場合は健康保険で扱うこともでき、場所、サイズによって異なりますが3割負担の場合自己負担は7000円から2万円の間くらいとなります。切除したものは病理検査を行い、悪性かどうかの判定も行います。

粉瘤の治療法

この皮膚の内部にできる袋状の腫瘍はかなりの頻度でみられますが、放置すると大きくなり、ひどく炎症を起こすので大きくなる前に切除する方が望ましいものです。
当院では従来の粉瘤手術の低侵襲化を率先して行っており、極端に大型のものや癒着強いものを除いては、臍抜き法(くり抜き法)という治療法を行っております。臍抜き法とは、粉瘤に小さな孔をあけ、そこから粉瘤の内容物を絞り出した後に、しぼんだ粉瘤の袋を抜き取る方法です。施術後の傷が小さくて済むのが、この治療法の最大の利点です。
比較的小さく、炎症を起こしたことのない粉瘤が適応となります。
やや大きめの場合や、炎症を起こしたあとで周囲との癒着が強い場合は局所麻酔下で皮膚を切開し、粉瘤を袋ごと周囲から剥離し切除します。一週間後抜糸します。